排水における浮遊物質の上昇速度は、ストークスの式に従うものであり、排水と浮遊物質の密度差及び粒子の直径の2乗に比例する事になります。
空気の泡を浮遊物質に付着させて粒子径を大きくし、かつ、見かけの比重を小さくする事によって、上昇速度を速め、固液分離を行います。
加圧浮上装置は、凝集沈殿装置に比較して、分離速度が速く浮上槽の滞留時間が短いため、浮上槽容量を小さく取る事ができ、又分離された汚泥濃度も高濃度で回収ができます。また原水の温度変化に対しても安定しております。
方式には一般的に次の4つの方式があります。

 1.排水の全てを加圧する方法。(全量加圧)

 2.排水の1部を加圧する方法。

 3.処理水の1部を加圧する方法。(処理水加圧)

 4.浄水(井戸水・工業揚水・水道水)を加圧し排水中に混合させる方法。

当社は、全量加圧と処理水加圧が可能な加圧浮上装置を製作しております。

気泡

加圧浮上に適した気泡径は100μ前後です。大きすぎても、小さすぎても安定した処理ができませんので、いかに安定した気泡を発生し続ける事ができるかが重要です。
下記左の写真は、当社加圧浮上装置の加圧ポンプユニットにて作りました
気泡の顕微鏡写真です。ほとんどが100μ前後で安定している様子が解ります。
清水にて気泡を発生しますと、水面が飽和状態になった段階で霧のようなものが立ち上ります。右の写真はそのときの様子を撮影したものです。

安定した気泡を発生し続けます

霧のようなものが立ち上がります

加圧ポンプユニット

加圧浮上装置を大きく分けますと、微細気泡を発生する部分と微細気泡を効率よく排水と接触させ濃縮分離する浮上槽に分けられます。
微細気泡を安定して発生させるには、加圧ポンプ・混合加圧タンク・空気供給機を組み合わせますが、それぞれのバランスをどの様に設定するかが装置の耐久性と安定性に大きくかかわります。当社は、ポンプとタンクを加圧浮上装置仕様として自社製作する事により、解決いたしました。
耐久性はもちろんの事、空気溶解率も大幅に向上しておりますので、ワンランク下の動力での運転が可能です。

加圧浮上槽

加圧浮上槽は、意外と軽視されがちですが、設計方法にもありますように滞留時間と浮上面積を誤りますと十分に機能しません。
よくある話しですが、取り付け後思ったような処理水にならない場合は上記の部分に問題があるケースが多いと思われます。
運転後の排水が、想定より多い場合、濃度が高い場合も考え安易な設計はせず、十分に検討をしてください。
当社が設計する場合は、国土交通省の設計基準に安全係数をかけまして設計いたします。他社より大きくなる場合もありますが、上記のような問題を起こさないためとご理解ください。

設計条件

その他の製品